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2011年9月21日水曜日

今週のラテン語5

今週の、とか言っておきながら何週も、いや何ヶ月も空いてしまった。
でも、何事もなかったようにしら〜っと続けちゃいます。

昔のノートを片付けていたらローマ人の食事についての記載が出てきました。そこに書いてあったのが、これ。

Ab ovo usque ad mala.
卵からリンゴまで。
De l'oeuf aux pommes.
From the egg to the apples.

帝国時代のローマ人の cena(一日のメインの食事)では4品が順に出され、最初が卵料理で最後がフルーツだったことから、この表現を「最初から最後まで」の意味で用いるのだそうです。
この cena ってのがスゴい。午後に始まって夜まで続き、料理1品ごとに異なる音楽が演奏され、大道芸なんか見物しながらの大宴会だったらしい。
そして食事が終わると奥様方は退席、殿方は奴隷の女性たち(おそらく楽器を演奏する女性たち)と過ごしたんだとか。
こんな夕食が毎日なんて生活、どうよ?

「事の発端から」という意味で、ab ovo だけでも使うようです。
つきつめるとトロイ戦争の発端がヘレンの誕生(白鳥に姿を変えたゼウスがスパルタ王テュンダレオスの妻レダと交わり、レダが産んだ卵からヘレンが生まれた)にあることを示唆しているんだって。
誰か「風が吹けば桶屋が儲かる」を ab ovo usque ad mala で説明して!

2011年2月11日金曜日

今週のラテン語4

Tu quoque, mi fili. / Et tu, Brute?
ブルータス、お前もか。
Toi aussi, mon fils.
And you, Brutus?

ご存知、カエサル最期の言葉。実はギリシャ語で言ったんだそうですね。

ラテン語バージョンはフランスとイギリスで異なります。前者では18世紀のラテン語学者ロモン著「偉人伝」からの引用で Tu quoque, mi fili. 、後者ではシェイクスピアの「ジュリアス=シーザー」から Et tu, Brute?です。

仲間だと思っていた人が敵側に回って、がっくりきたときに呟いてみましょう。

2011年1月31日月曜日

今週のラテン語3

お久しぶりになっちゃいました。
気を取り直して、今年も先人の知恵に学んでいきましょう。

今回は実に使えそうな諺です。

In vino veritas.
酒に真実あり。
Dans le vin est la vérité.
In wine there is the truth.

酔った勢いでつい本音が出てしまったこと、ありませんか。

酒と子供は本当のことを言うと、古代ギリシャでも既に言われていました。プラトンの「饗宴」や、古代ローマの大プリニウスの「博物誌」にも記述があるそうですよ。
フランスの諺だったか、「酒が入ると理性が出て行く」なんてのもありましたね。

お酒は節度を持って楽しみましょう。

2010年11月11日木曜日

今週のラテン語2

Errare humanum est.
間違いをおかすのは人間的なことである。
L'erreur est humaine.
To err is human.

間違いをおかすことは人間の本性だということ。
何か間違いをしたときに「しょうがないじゃん、人間だもの」と開き直っていいという意味ではもちろんありません。
この格言は in errore perseverare stultum「頑として非を認めないのは愚かなことだ」と続きます。(ちなみにこの部分は後にキリスト教下で perseverare diabolicum となったそうなので、今日ではこちらの方が通りがよいかもしれません。)
失敗は成功のもとってことね。

errare はフランス語でいうところの Infinitif 動詞の不定法で「間違うこと」。
humanum は形容詞(不定法の属詞となるときは中性形をとる)。
est はフランス語と同じで be 動詞の3人称単数直接法現在です。

2010年11月1日月曜日

今週のラテン語1

Timeo Danaos et dona ferentes.
私はギリシャ人が恐ろしい。贈り物を持ってきたとしても。
Je crains les Grecs, même quand ils apportent des cadeaux.
I fear the Greeks, even when bringing gifts.

戦争相手のギリシャ軍が置いていった木馬を見て、トロイの司祭が言った言葉。
木馬の中にはギリシャ兵が潜んでいたんだけど、勝利を確信したトロイの民は木馬を城壁内に引き入れてしまい、出て来たギリシャ兵たちに攻められてトロイは落城するのでした。

ギリシャ人は Danai(複数形)。Timeo Danaos で「私はギリシャ人を恐れる」。
et は 英語の and、フランス語の et にあたるんだけど、ここでは even、même の意味。
ferentes は Danaos にかかる現在分詞だな。et dona ferentes で「贈り物を持っているギリシャ人であっても」となると思われます。

「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」とはちょっと違うけど、好意的に見えても敵対する相手であるときは用心しなきゃってことですね。ただより高い物はないんだから。