2010年11月11日木曜日

今週のラテン語2

Errare humanum est.
間違いをおかすのは人間的なことである。
L'erreur est humaine.
To err is human.

間違いをおかすことは人間の本性だということ。
何か間違いをしたときに「しょうがないじゃん、人間だもの」と開き直っていいという意味ではもちろんありません。
この格言は in errore perseverare stultum「頑として非を認めないのは愚かなことだ」と続きます。(ちなみにこの部分は後にキリスト教下で perseverare diabolicum となったそうなので、今日ではこちらの方が通りがよいかもしれません。)
失敗は成功のもとってことね。

errare はフランス語でいうところの Infinitif 動詞の不定法で「間違うこと」。
humanum は形容詞(不定法の属詞となるときは中性形をとる)。
est はフランス語と同じで be 動詞の3人称単数直接法現在です。

2010年11月6日土曜日

クレタ4 おまけ

クレタには(というか多分ギリシャには)いたる所に猫がいます。レストランでもホテルでも、気がつけば足元を猫がぬらり。
しゅっとして美しい猫ばかり。太った猫は見かけなかったな。食べるものとか、健康的な生活を送ってるってことかしらん。
滞在したホテルに出入りしてた黒猫には、勝手にステファンと名前をつけて何気に仲良くなったっけ。

クレタ3 食事編

楽しく食事のできたレストランとカフェ。満足度は☆で表示していますのでご参考まで。

Loukoulos(イラクリオン)☆☆☆
地球の歩き方にも愛用のガイドブックRoutardにも載っていたレストラン。レモンの木が気持ちよく陰を作る中庭でのランチ。料理はイタリアンに近い。店員のお兄さんがススメてくれた前菜のなすとトマトの重ね焼きがとっても美味しかった。サービスでスープが出たけど、それも美味しかったな~。食後にラキとシロップ漬けのぶとうも勝手に出てきた。(食事をすると、サイドディッシュ一品とラキ&一口デザートが付いてくるというのがクレタの慣習みたい。)ちゃんとした食事を楽しみたいときにオススメのお店。

Knossos(レシムノ)☆☆
ヴェネチアンポートはずらっとタベルナが並び、一歩踏み入れたとたん客引き攻めにあう観光地。そんな中で50年以上前から家族経営でやっているという小さなお店。魚料理は通常kg単位の価格表示なんだけど、ここは一人前ずつの値段表示でわかりやすい。その日のオススメ鯛のグリルはオリーブ油で焼いて塩こしょうしただけのシンプルなもの。ふわっと焼けていて薄味で私好み! 付いてきたサイドデッシュのゴロゴロ野菜のサラダがこれまた美味! 旅行中の野菜不足も一気に解消しちゃう。もちろんラキと一口お菓子付き。ヘルシーな食事を好む方にオススメのお店。

Pelagos Fish Taverna(アギオス ニコラオス)☆
木陰のテラスが広々として素敵な店。リゾート風の長椅子でクッションを背にあて、ゆったりとランチをいただける・・・はずが、途中で大雨になり室内へ避難(笑)。イカのイカスミ煮フェンネル風味なんて珍しい一品も。付け合わせに米が出てくるのがちょっと嬉しい。

Cafe Port Side(マタラ)☆
ギリシャのコーヒーといえばまず、粉が沈むのを待って上澄みを飲むグリークコーヒー。話の種にはいいけど個人的には今ひとつ。かといってここまで来てスタバってのもな~と言う私のような人間に売ってつけの、ビーチ沿いに並ぶタベルナの外れにあるウッディなカフェ。
クレタでのコーヒーは、アメリカンが好みならネスカフェ、ヨーロピアン派はエスプレッソを頼むとよさそう。アイスコーヒーは、グリークアイスコーヒーならフラッペ、イタリア風が好みならカフェフレドとオーダーして砂糖とミルクの有る無しを伝えます。

クレタ2 海岸編

ヘルソニソス
クレタ島の北側はクレタ海とも呼ばれるエーゲ海の一部。青いんだよね~、エーゲ海って。紺碧の海。深さが変わる所かな、色が変わるラインがくっきり見えて、三層に青い海なんだよね。

滞在したヘルソニソスは、滞在型ホテルの立ち並ぶ北側の海辺の町。みんな2週間とか居て、天気のいい日はビーチかプールサイドで一日中本を読んだりして過ごす。
波はしっかりしていて風も強い。
打ち寄せる波の音を聞きながら、ただただ寄せては引いていく波を見ている。あ~贅沢。このためにここまで来たのだ~! 人生観が変わりそう。


マタラ
島の南側は地中海。海辺の町マタラのビーチは湾になっているので波はほとんどない。北側では風が強くてビーチにいられない日も、ここなら砂浜に転がっていられる。右手に横たわる巨大な岩壁には無数の穴があいていて、大昔に人の手で掘られたものなんだとか。ローマ時代には墓場として、ちょいと昔にはヒッピーのネグラとして使われていたんだって。

滞在期間の前半は夏のように暑く、一日大雨が降ったと思ったら翌日から一気に寒くなった。ビーチを楽しむなら10月前半が限界なのかも。

クレタ1 遺跡編

2010年10月4日〜11日 ギリシャのクレタ島へ行きました。

首都イラクリオンの考古学博物館とクノッソス遺跡で一日、小さな港町レシムノ散策で一日(近郊のアルカディ修道院にも寄るつもりが道を間違えて断念)、マリア遺跡と東のリゾート地アギオス・ニコラオスで一日、南の海岸の町マタラとフェストス遺跡およびゴルティス遺跡で一日。 あとは海岸でごろごろ。


1週間に訪れた遺跡は計4つ。
まずはミノタウロスの迷宮として有名なクノッソス。部分的に復元されていてイメージが湧きやすいともいえるけど、個人的には他の3つの方がよかったな〜。

マリア遺跡
マリアはクノッソス&フェストスと同じミノア時代(紀元前2000~1700年あたり)の遺跡で、伝説によるとミノス王の弟の宮殿(だからクノッソスより小さいのは当然か)。まだまだ発掘中だとか。

フェストスは有名な円盤(イラクリオンの考古学博物館所蔵)が発掘された遺跡。規模、重要度ともにナンバー2的存在。高台にあり、眼下にはオリーブの木々、遠くには山々と景色も素晴らしい。




ゴルティス遺跡
ゴルティスはローマ時代の首都なのでだいぶ新しく(とはいっても紀元前)、今はハトの住処となっているロマネスクな寺院や、壁にびっしり彫られた法律(横書きで1行目は右から左へ、2行目は左から右へと読んで行くらしい)が見どころ。
フェストスとマリアは同じ時代の宮殿なので構造は似ているけれど、色合いが違うというか、前者は石っぽく、後者は土っぽい感じ。





イラクリオンの考古学博物館は改装中で1室しかなく、5分で見終わっちゃうのに料金は通常通りって何だかな~。
しっかし紀元前20世紀って・・・日本人はまだサルだったんじゃないかぁ???
そんな頃に排水システムのある宮殿を作ってたなんてホント驚きだよね。

2010年11月1日月曜日

今週のラテン語1

Timeo Danaos et dona ferentes.
私はギリシャ人が恐ろしい。贈り物を持ってきたとしても。
Je crains les Grecs, même quand ils apportent des cadeaux.
I fear the Greeks, even when bringing gifts.

戦争相手のギリシャ軍が置いていった木馬を見て、トロイの司祭が言った言葉。
木馬の中にはギリシャ兵が潜んでいたんだけど、勝利を確信したトロイの民は木馬を城壁内に引き入れてしまい、出て来たギリシャ兵たちに攻められてトロイは落城するのでした。

ギリシャ人は Danai(複数形)。Timeo Danaos で「私はギリシャ人を恐れる」。
et は 英語の and、フランス語の et にあたるんだけど、ここでは even、même の意味。
ferentes は Danaos にかかる現在分詞だな。et dona ferentes で「贈り物を持っているギリシャ人であっても」となると思われます。

「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」とはちょっと違うけど、好意的に見えても敵対する相手であるときは用心しなきゃってことですね。ただより高い物はないんだから。